私たちの生活に欠かせない水を貯めておく貯水タンク。 何のメンテナンスもなしに放っておくとどうなるのでしょうか?
貯水タンクに最も多く使われているFRPは軽くて強く、半永久的な耐久力を持つ「強化プラスチック」ということで世に誕生しましたが、 「タンクって?」でもふれたように、実際にはそうではありませんでした。
FRPは太陽光線に含まれる紫外線に弱く、その樹脂部分の主要成分である不飽和ポリエステル樹脂は、この紫外線の作用で分解されていきます。
FRP劣化の初期では表面の艶がなくなり、樹脂成分が粉状に分離していきます。
表面の樹脂層が分解されますとFRPの強度を保持しているガラス繊維層が露出し、周囲に飛散していきます。 これが雨風に曝され、繰り返し内部に進行し、繊維層を飛散していくに従ってFRPの躯体強度は大幅に低下していくのです。
左の写真は経年劣化による破砕事例です。
通常、新設の貯水タンクは清掃のために作業員がのる程度の加重では壊れないように設計されています。しかし強度低下をおこしたFRP天板では簡単に踏み抜かれてしまいました。
このように、単に水が利用できなくなることのみならず、人身事故を招く恐れすらあるのです。
この様な状態で万一地震が発生しますと、外部からの揺れが引き金となって貯水圧に耐えられなくなり、悪くすると 貯水タンク自身が破裂してしまいます。
また、ここまで経年劣化してしまう以前にも、FRPパネルの接合部にシール材(漏水防止)として用いられている パッキンが劣化し、タンクから水が漏れ出す事例も数多く見受けられます。
水が漏れてからでは遅すぎます。
復旧して元通りに水が利用できるようになるまでに何日も断水が続いてしまうのです。
タンク内部では私たちが水を利用することで水道水の出し入れが絶えず行われ、タンク内の圧力(内圧)が変化しています。 内圧が変化すれば、水をシール(止めている)する部分、つまりパッキンに負荷が掛かります。 パッキンへの負荷は即ちパッキンの劣化に繋がります。
パッキンが劣化すれば、当然タンクから水が漏れ始めてしまいます。 パッキンの劣化はどれほどメンテナンスをまめに行っていても防ぐことはできません。 設置後5年以上も経過すればパッキンは少なからず劣化しています。
阪神大震災時では、かろうじて破裂は免れたものの、パッキンの劣化が原因で地震が引き金となって漏水したタンクが数多く見られました。 日本列島は世界でも有数の地震国です。 規模の大小を問わず実に頻繁に地震が起きます。
万が一の時に備えて、私たちの大切な水を確保するためにも、貯水タンクのリフレッシュをお勧めします。
タンクの補修・補強に関するご質問は、お気軽にお問い合わせください。
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